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前編からの続き



19歳の彼女は、仲間たちに風俗で働いていることを隠していない。仲間たちに隠す方が変だ、と彼女は言う。


もちろん、このような考え方は一般的ではないだろう。ただ、時代が異なれば歌舞伎町のキャバクラ高級店で働いていてもおかしくない容姿の女性が、地元で生きていくことを選び、風俗という職業を迷いもなく受け入れ、その生き方に疑問を抱かぬ姿に不思議な感慨を覚えた。


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その次の段階として、彼女たちがお金を欲し、より稼ぐために出稼ぎにいくような思いに駆られるのが、美容整形への興味である。


地方で働く23歳の風俗嬢の女性と話しているときに、私は次第に彼女たちの心理状態が、出稼ぎブームを加速させていることに気がついたのだった。


地元でお金を稼ぐも、とくにお金を浪費する場所もなく、ただ自由に生きるために風俗で勤めてたその女性は、年齢を追うごとに次第に不安を抱くようになったという。


年をとればどうしても脂肪は増え、顔の造作も変化する。そうした変化に気がついたときに、目や鼻の整形、脂肪吸引などに興味が湧くのだ。


彼女たちは、自分の身体を資本に、生計を立てている。その大事な資本を維持し、より生活を安定的なものにするためには、美容整形という名の先行投資に惹きつけられる。


たとえば、顔は可愛いが身体が太い女性がいる。脂肪吸引を思い立ち、施術して体重が40キロ代になると、出稼ぎ店舗での1日の保証額も5万〜8万とアップする。


50キロ代後半や60キロ代の状態だと、いくら顔が可愛くても保証額は3万〜45000円くらいが限度となってしまうため、体重が稼ぎの額を大きく左右するのだ。つまり、先行投資として脂肪吸引をすることで、その分のお金の回収はもちろん、1日の稼ぎの額も大きく上がってくる。


逆に、スタイルは細いが容姿が優れぬ女性は、整形手術を行うことで、同じように保証額も稼ぎも大きく上昇する。


私が知り合った23歳の女性は、スタイルは細いが胸が小さいために、豊胸手術に踏み切ったという。また、目元の印象を変えるために、目の手術も行い、もともと容姿端麗であった彼女は、より綺麗なルックスを得ることになった。


風俗店舗やスカウトマンの勧めで美容整形を経て、彼女たちはより金を稼ぐようになる。その理由も、家族の介護のため、生活資金のためであり、決してふしだらな理由ではないケースが多い。


可愛い子たちがこうした考えで風俗を選ぶ理由や心理状態も、決して他人事ではなく、今の時代や風潮を形成している我々のすべてが、原因の一つであるというのは、決して誇張ではない。


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今この瞬間も、容姿端麗の女性が、風俗で働くことを自ら選択しているのだ。彼女たちはいずれ、風俗で働いていたことを忘れたように、地元で結婚し、普通の生活に戻っていく。そのときには、もう彼女たちが風俗の道を歩んだ理由を知る術はない。


Twitter→@dekaseginavisk