この時期になると、高校を卒業した19歳の女の子たちが、夜の世界に飛び込もうと、あらゆる情報やネットワークを頼って、働き口を探していることが多い。


5〜6年前までは、可愛い女の子はみなキャバクラに憧れて、四月以降、キャバ嬢デビューを果たしていた。街にはスカウトマンが溢れ、一人でも多くキャバクラの高級店に紹介しようと、若くて綺麗な女性を虎視眈々と狙っていたものだった。


しかし、ここ数年で、すぐにでもキャバクラの高級店で働けるであろう19歳の女の子たちが、キャバクラという職業をすっ飛ばして、四月からすぐに風俗デビューを果たすことが多くなった。


路上でスカウトをしていた頃も、四月に大学生や専門学生、フリーターになった19歳の年の女の子たちに声をかけると、きまって「キャバはめんどいから、手っ取り早く稼ぎたい」と言われるようになり、若い女性の価値観の遷移を徐々に感じ始めていた。


それがとくに可愛い女の子に限って、顕著に見られるようになり、キャバクラ嬢に憧れる時代が終わったのだなと、ある時私は悟ったのだった。


彼女たちが何故、キャバクラ嬢に憧れず、風俗の道へ進むのか、私なりにいくつかの推測を立ててみた。


◆キャバクラの需要と供給が縮小?


まず最初に考えられるのは、そもそもの根本的問題である、キャバクラブームの翳りだろう。闇金の人間が歌舞伎町で金を遣い続けていた頃、歌舞伎の高級店は新人キャバ嬢に時給8000円、1万円と、今では一握りのキャバ嬢しかもらえないような高額な時給を、ポンポン付けていて、容姿の優れた女性をひたすらに集めていた。


その頃は現在と違って都条例も厳しくなかったため、我々のようなスカウトマンが常に街で可愛い女性を店舗に供給しており、店にはレベルの高い女性が常時溢れていた。


しかし、闇金の時代が終わり、追い打ちをかけるように都条例の強化でスカウトマンが街から消えることで、店は需要と供給を一挙に失ってしまった。


◆キャバクラ雑誌の休刊、ageha嬢のブーム


ときを前後して、ベストクラブ、クラブアフターなどのキャバクラ雑誌が休刊し、当時のキャバ嬢たちのステータスとなっていた、ナンバーに入りそれらの雑誌の表紙や見開きページを飾るという目標が消失し、かわりに可愛い女の子だけがモデルになれる雑誌、ageha が創刊した。


ベストクラブやクラブアフターなどの雑誌は、容姿に関係なく、ナンバーに入れれば雑誌に掲載され、さらに集客を呼び込むことができた。


しかし、agehaの場合、容姿に優れた女性だけが紙面を飾ることができる。彼女たちが広告塔となり、客数が増え、実力主義だったキャバクラのナンバー争いに、雑誌の知名度、という要素が組み込まれるようになった。


つまり、可愛い女の子たちはキャバクラに憧れるのではなく、agehaという雑誌に憧れ、職種はキャバクラじゃなくても構わなくなった。キャバクラ嬢への憧れが、ageha嬢の憧れにすり替わったのである。


実際、agehaに載っていた、さほど大きな扱いは受けていない読者モデルの中で、私が知る限りでも数人は風俗嬢や愛人をやっている女性がいた。


高校を卒業したばかりの可愛い女の子たちは、モデルとなるageha嬢の生き方に憧れながらも、同時に自分を客観視し、時給もそこまで出るわけでもないキャバクラを敬遠し、キャバクラという仕事に憧れることがなくなった。


◆風俗は、キモくないし、ダサくない?


そんな彼女たちの中で生まれた価値観が、より多くのお金を稼ぐことだった。バイトでは日給一万にしかならない、キャバクラでも二〜三万しか稼げない、それならば同じ時間でより効率よく稼げる方が良い、と風俗の仕事に勤しみ、愛人登録が当たり前となる。


可愛い女の子が風俗嬢になれば、同じくらいの容姿レベルの女性も、こんなに可愛い子が働いているなら、風俗嬢という仕事はキモくないし、ださくない、と考え始める。それが他の一般女性にも広がり、赤信号をみんなで渡るかのように、みなが一斉に風俗の仕事に駆け込み始めたのだ。


実際、今の歌舞伎町のキャバクラの平均年齢は年を追うごとに上がり続けている。昔に比べて、明らかに若い女性の参入率が減ったためである。


風俗ならば効率よくお金を稼ぐことができる上に、キャバクラのような人間関係も必要がなく、酒を飲む必要もなければ、ノルマに追われることもない。好きなときに働いて大金を稼ぎ、好きなことに遣う。ダサい仕事でもキモい仕事でもないので、後ろめたく感じる必要もない。


キャバクラをやらない理由は見つかっても、風俗をやらない理由は彼女たちの価値観の中から、徐々に消え失っていたのだと思う。


◆いつまでも掛け持ちできる、風俗嬢という生き方


風俗の仕事は、学生でも社会人でもいつでも掛け持ちして働くことができる。その点に於いて、キャバクラはヘルプや派遣でない限り、掛け持ちでやっていくには不利な職種である。稼ぐためには、指名客との同伴やアフターは必須であり、同時に店のキャストたちとの関係も良好に保たなければならない。


同じ容姿でも、キャバクラで稼ぐのと風俗で稼ぐのとでは、本業がある限り、後者の方が掛け持ちしやすいのだろう。


◆まだまだ続く風俗嬢ブーム


四月からも風俗嬢デビューする女性は増え続けるだろう。それを見越してか、全国的に新規店のオープンが続いており、今後より風俗の需要は増え続けていくと思う。正式な統計がないから分からないが(一般的に5兆円規模といわれている)増え続けている店舗や、風俗デビューする女性の数、それらの店舗や女性の売り上げも伸び続けていることを鑑みれば、風俗業界の市場規模は今後も拡大していくことが予想される。



私はスカウトマンとしても一男性客としても、風俗業界のブームだけは去らないで欲しいと願う所存である。



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